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Vol.0123 「生活編」 〜夢へのドライブ その3〜

私が自動車の仮免許試験を受けることになった時の、夫からのメール。「ここまでのスムーズさを聞く限りでは、もしかしたら運転のセンスがあるのかも?香港は若葉マークドライバーには向いていないけれども、ニュージーランドでは十分に場所があることだろうから、じっくり時間をかければ普通に出かけられるようになると思う。まあ、とりあえず目の前のハードルを一つ一つパスして行ってください。」

これでいくと、彼は私が免許を取得したとしても香港での運転は"向いておらず(=無理)"、"十分に場所がある"NZでならなんとか運転できるようになると見ているようです。しかも"じっくり時間をかければ普通に出かけられるようになる"と言っていることから、時間をかけない限りは"フツーにはでかけられない"と言いたいのでしょう。"もしかしたら運転のセンスがあるのかも?"と、ご丁寧に「?」マークが付いていることからも、ほとんどそうは思っていないということが判ります。

前々回の〜夢へのドライブ〜配信時に送られてきたメール。「メルマガを読んだけれども、思ったより順調なのははっきり言って予想外。僕の頭の中には、実習は"年齢x1時間"という公式があるせいか、今回は本当に驚き」と、運転センスがないはずの妻が路上教習を受けていることへの驚愕を正直につづっています。そして、「その調子で一気に免許を取得し、是非NZで隣に乗せてね」と言いつつも、「ほとんど車が走っていない、片側二車線以上の真っ直ぐな道で・・」と注文を付けており、不信感も包み隠さず吐露しています。

私はこうした寸評に「ひっど―――い!」と憤るどころかうなずきまくりで、自分も夫と同じくらい、事の展開に驚嘆しているところです。仮免までを技能実習の規定時間である12時間できてしまったことは本当に驚きでした。「当然オーバーするだろう」と、割高ながらも規定以上となった際の追加実習料金が加算されない、「パーフェクトらくらくコース」に申し込んでいたくらいです。試験申し込み前には、担当教官に何度も念押ししました。

教習所入校式当日に受けた行動分析テストの結果によると、私の診断結果は「活動的で自分自身を信頼し、精力的に動きまわるタイプ。着実に仕事をこなし義理を欠かさないので、世間の人はあなたを信頼していることでしょう。しかし、自信過剰になりやすい傾向がありますので、運転にはよく注意してください。作業がていねいで綿密です。運転にもこの心がけを。健康状態は良好でとても心が健やかな状態です」というものでした。妙な絵を見て「パンダに見えるか?花瓶に見えるか?踊っている女の子に見えるか?」など、どれにも全然見えない中を無理やり答え、どうして"義理を欠かさない"とか"健康良好"と言えるのかはナゾですが、心理学的な裏づけがあるそうです。

その後は、「ありのままの自分をそのまま出せる正直な人です。どんなことにも比較的柔軟に対処できる面をもっています。場面の変化にもかなりスムーズに即応でき、環境の変化に適応する能力が比較的ある方です。どちらかといえば、動作の速さが一定していて危なげがありません。細かなことにはとらわれないノビノビした健康な方です。めったに怒ったりイライラすることのない情緒の安定した人です。運転には穏やかな気分が大切です」と、続きます。結果は「運転適正度」の5段階評価で「5」、「安全運転度」のA−E段階で「A」という最高評価でした。

結果を素直に受け止めれば、夫の思惑は外れ、私は非常に運転に向いているということになります。しかし、私はこの評価の一部が40歳代という年齢からくるものではないかと見ています。一緒に教習を受けている、ヘタをすれば娘や息子になり得る20歳前後の若い人たちは圧倒的に「3」の「C」が多いそうです。追い抜かれたら"ムカつき"、赤信号は"ウザく"、免許をとったら"いいクルマ"で彼女(彼)とドライブに行って、"いいところを見せたい"というのが彼らの平均像なんだそうです。

私は追い抜かれても、赤信号でも一息つけるのでホッとする方です。闘争心など運転に限らず、元々ひとかけらもありません。制限速度は守るべきものというより、自分でちょうどいいと思って運転しているとだいたいその辺になります。"いいクルマ"に興味などあろうはずもなく(新車にも)、自分用にはぶつけても気にならないポンコツを買う方針に揺るぎはありません。夫はいますが彼氏はおらず、"いいところを見せたい"などと虚勢を張ることはまったくもってありません。

年齢と同時に、これまで40年も歩行者であり続けた私の視点が、ハンドルを握ることになっても引き続き歩行者のものである点も大きいかもしれません。公共交通機関を愛する"誇り高い歩行者"の目を持ちつつ、誰をも傷つけることなく自分も傷つくことなく、安全第一でNZへの夢の実現に向け、ゆっくりと確実に走り出すことにします。

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「マヨネーズ」 目覚し時計が鳴り、慌てて止めて時間を見ると7時でした!「ヤッバ〜!こんな時間」と思って、「おはよう☆起きて〜。もう7時よ・・・」と、いつもその時間に起きる子供たちを起こしました。二人とも相変わらず眠そうで、善は目をつむったまま朦朧と座っており、温はひざまずいたまま枕に頭をうずめています。すぐにカーテンと窓を全開にして、隣の部屋のより大きい窓を開けると、なんだか空が白々。いつもと違う感じ。ふとその部屋の置時計を見ると、時間は5時!ガーン。ゆうべ薄暗いところで目覚ましをセットして間違えたようです。すぐに寝ぼけたまま着替えを手にした子供たちに「ごめん、ごめん。あと2時間寝てていいよ〜」。私もベッドへUターン。新米主婦の子供もタイヘンです。

西蘭みこと