「西蘭花通信」Vol.0699 スピリチュアル編 〜夢日記:虹の返答〜            2014年7月3日

夜中に目が覚めると、隣で寝ているはずの夫がいません。
「トイレに行ったの?」
と思っただけで、再び眠りの中へ。翌朝目を覚ますと、夫は横に寝ていました。翌日か数日経って再び夜中に目を覚ますと、また夫がいません。
「またトイレ?」
と思いながらもすぐにうとうと。翌朝目覚めると、いつも通り横で寝ていました。

翌日か数日後、またまた夜中に目が覚め、夫がいないのに気付き、
「おかしい。トイレじゃないんじゃない?」
と思いつつ戻るのを待っていました。かなり待ったような気がしましたが、眠くて頭は朦朧、時間の感覚もつかめないまま再び眠りに落ち、翌朝はやはり隣に夫がいました。

不思議ながらも些細なことでもあり、起きてしまえば毎日のあれやこれやが始まってすっかり忘れてしまい、夫にこの件を聞いてみる間もなく何日かが過ぎました。それからも夜中に目を覚ますと夫がいないということが何回か続き、ある日、またいないのに気がつきました。その時、外でクルマのエンジンがかかる音がして、
「まさか!」
と慌ててカーテンを開けると、まさに夫がクルマで出かけていくところでした。
「夜中に出かけてる???」
これには仰天し、すっかり目が覚めてしまいました。

夫は明け方近くに戻り、ベッドに戻ろうとしました。私が起きているのに驚いたようですが、眠そうで何事もなかったかのように寝ようとします。
「どこに行っていたの?」
「どうして夜中に出かけたの?」
という私に質問に答えるのも面倒くさそうで、
「ちょっとそこまで。」
「キミには関係ない。」
と布団を被りながら曖昧な返事をしていましたが、納得できない私が引き下がらないとみたのか、とうとう観念して行き先を白状しました。

「ストリップに行っていた。」
答えはすべての想像を超越するもので、全身の血が引いて身体が固まってしまいました。夜な夜なベッドを抜け出し仲間と連れ立ってストリップ???あまりのことに言葉も出ませんでした。秘密を白状させられ、寝るのを邪魔され、逆ギレした夫は、
「キミには関係ないよ。」
と再び言うと、布団を引っかぶって寝てしまいました。あとには頭の中が大混乱を起こしている私がポツンと残されました。

暗転

場所は移住してくる前に香港で暮らしていたマンション。書斎兼物置でありながら、大きなクローゼットがあったので私の着替えの部屋でもあった、誰のでもない部屋。そこで住み込みのお手伝いさんだったフィリピン人のジーナが、三脚を構えて写真を撮っていました。部屋には初めてみた可愛いらしい3、4歳のフィリピン人の子どもが2、3人いました。みんな褐色の肌にクリクリの目とフワフワした髪をしていて満面の笑顔です。

一番小さい3歳ぐらいの女の子は薄汚れた白っぽいワンピースを着て、カーリーな後れ毛をたらしたまま髪を後ろにまとめていました。カメラの前の床に座り、私を見上げてそれはそれは愛らしくニコニコ笑っています。写真を撮られているのが嬉しそうでした。私より4つ年上で敬虔なカトリックであり、大の子ども好きのジーナはタガログ語で優しく子どもたちに声をかけつつ、部屋に入ってきた私ににっこりと向き合いました。

意外ではあったものの、和やかで楽しそうな光景でした。けれど、私にはなぜかジーナが撮っている写真が子どもポルノだとわかりました。子ども達はみな服を着ていたのですが、なぜかそう思ったのです。
「なんでそんな写真を撮るの?」
根拠もないのに確信した私は単刀直入に言いました。
「マム、この子達はみんな貧しいんです。写真を撮れば少しはお金になります。大きくなれば顔も変って誰だかわからなくなります。」
「でも、あなたもそれでお小遣い稼ぎをしているんでしょう?絶対ダメよ、そんなこと。すぐに荷物をまとめてこの家から出て行って!」

私は真剣でした。驚いて声も出ないジーナを彼女の部屋に促し、荷物をまとめさせました。腕を組んでその場に立会いながら、あまりの出来事に彼女同様に愕然としていました。全幅の信頼を寄せて何年も一緒に暮らし、息子たちを育ててもらった恩人がこんなことをしていたとは!どうあがいても信じられないことで、頭の整理がつきませんでした。
「でも、絶対にしてはいけないこと。見逃すことはできない。」

「明日からどうしたらいいんだろう?」
これも切実な本音でした。夫婦共働きの私たち、ジーナがいなかったら仕事に出ることができず、生活が回りません。夫はほとんど月―金で中国出張に行っていたので、私は仕事に行けなくなります。何よりも信頼していた彼女を失うことは私にとって自分の半身を失うほどの衝撃と痛みでした。けれど、彼女のしていたことに目をつむることはできず、腹は決まっていました。そこで夢が終わりました。

頭が混乱したまま目覚め、ボーっとしながら善(17歳)の朝食とお弁当と用意していました。例え夢であっても、生涯の友であるジーナを失う決心をしていたことにうなだれつつ、
「でも、正しいことをすべきだったんだわ。あれは間違ってなかった。」
と結論を出し、頭を上げた瞬間、薄暗い曇り空に鮮やかな虹がくっきりと出ていました。まるで、
「その通り!」
といわんばかりのタイミングと美しさでした。 
(その時の虹→)

(不定期でつづく)

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「マヨネーズ」

まず、例え夢の中とはいえ、こんな役目を負わされたジーナと夫に謝りたいです(笑) まったく事実無根の夢物語ですから〜。私の人生で一二の信頼を寄せ、頼りにし、大切に思う2人。だからこそ夢の中でも汚れ役を買って出てくれ、あまりの出来事にパニックになる私が咄嗟にどう判断し、どう動くかを学習させてくれたのか?

ストリップの件は、本人大笑い。尻切れトンボで、どんなオチになったのか興味津々(笑)

西蘭みこと 

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