「西蘭花通信」Vol.0672  生活編 〜アラフィフの不思議なカラダ:54 分の幸せ〜   2014年3月9日

今回は〜腸で考える〜のつづきをお届けするはずでしたが、不思議なことがあったので、横入り配信しまーす。

今日はオークランドで毎年行われている「ラウンド・ザ・ベイズ」と呼ばれる、マラソン大会の日でした。シティーからセントへリアスまで、タマキ・ドライブという風光明媚な海岸通り8.4kmを走るもので、走ってもよし、歩いてもよし、車椅子でもよしという、ファンランという通称通りの気軽な大会です。

初めて参加したのは2008年の46歳のときでした。子どもたちが通っていたオークランド日本語補習校がチームとして申し込むと聞き、家族全員で申し込みました。私は44歳の2月の誕生日から軽いランニングを始めました。当時は子どもを学校に送り出したその足で走りに行っていたので、時間帯としては朝7〜8時台。ファンランは9時半スタートで、日差しを遮るもののない海岸通りとあって、初めての暑さに手を焼きました。無事完走し、タイムは55分24秒。当時10歳だった次男・善(16歳)は57分。

2回目の参加は翌2009年。やはりかんかん照りで、前日の雨の後とあって湿度も高い日でしたが、タイムは54分04秒と少し改善しました。しかし、あの時は一緒に走った善がアレルギー症状を起こしてしまい(数日前から調子が悪かったのに汗と日差しで一気に悪化、真っ赤かになってしまいました)、そのまま病院直行というハプニング。

2010年も走る気満々だったものの、2009年11月から左股関節の外側に違和感が出て、股関節と大腿骨の間が擦れて腫れてしまったらしく、一時は家の中を歩くのもままならないほど痛み、不参加。女性に好発しやすい変形性股関節症というものらしく、関節の骨の表面を覆っている関節軟骨というものが、何らかの事情で磨り減ってしまうことで起きるようです。3月の段階ではとてもではないですが、走れませんでした。

私はどうも先天性臼蓋(きゅうがい)形成不全らしく、大腿骨を覆う股関節側の臼蓋と呼ばれるフタのような部分が普通より小さく、それが骨同士の擦れる原因になっているようです。その後、徐々に走れるようになりましたが、違和感が消えることはありません。5年目ともなり、違和感との付き合い方もだいぶ分かり、痛くなりそう(≒腫れそう)という時は安静、違和感があっても痛くなければ走ったり、歩いたりの通常通り。ヨガやストレッチをこまめにして、常に股関節の柔軟性を保つようにしています。

2011年はジャパンデーと呼ばれる日本のお祭りと同日になり、補習校の保護者も総出で手伝うため、再び断念。2012年はまたまた股関節の故障で断念。昨年2013年は苦節4年を経て、3回目の参加を果たしました。一時は、
「もう走れないのか?」
と落ち込んでいたので、感無量の復活でした。タイムは54分36秒。4年間のブランクがあり、50代になっていたにもかかわらず、同じ54分だったことは、不思議でもあり励みにもなりました。

(夫が撮ってくれた去年の写真。毎回こんな感じです→)

4回目となった今日は、晴天ながらそこそこ雲もあり最高のラン日和。夫にシティーまでクルマで送ってもらい、5年ぶりに走る善と一緒に参加しました。参加者は4万人近かったそうで、お揃いのTシャツを着た企業参加チームが一段と増えていたことに、景気回復を感じました。相変わらずベビーカーあり、車椅子あり、杖を付いている人あり、コスプレありの、老若男女のなんでもありイベントでした。

今年も2月から股関節の違和感が強まり、
「最悪、夫に代わってもらうか?」
と心の準備をしつつ、申し込み以降は走るのを控えて股関節をしっかり休ませて臨みました。いざ走り出したら、カラフルで楽しそうな周りの雰囲気に目を奪われ、脚のことを思い出すこともないほど楽しみました。歩道橋の上で報道陣がカメラやビデオを構えているのに向かい、
「ハイ、ママ!ママー!」
両腕を振って「ボクはここだよ!」と言わんばかりに大声で応えていたのは4、50代と思しき立派なオヤヂ。周りは爆笑の渦でした。

途中トイレに並んだり、水をもらったりしながら、相変わらずのマイペース。
「走れてよかった!」
という思いを噛み締めながら、一歩また一歩。立派な歩道があり、走ろうと思えばいつでも走れるコースなのに、走れなかった時期を思うと、やはり参加は感無量です。タイムは54分39秒。また54分!足掛け5年、3回連続の54分には驚きました。なんて不思議なんでしょう。時計も携帯も持っておらず、まったくの偶然です。

54は長らく暮らした香港の広東語読みだと54=「唔死」(死なない)と読み解く縁起のいい数字。
「このままくたばらずに行け!」
という思し召しなんでしょうか?毎回走り終えたときに思うのは、「ずっと走りたい」ということ。60代になっても70代になっても、歩くのではなく走って参加したいと思います。今回参加した50代女性は約1,500人。60代女性は約500人。70歳以上は75人。さぁ、どこまで行けるか?

(つづく)

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「マヨネーズ」

申し込む時に善を誘ったものの断られました。しかし、友だちの彼女が風邪を引いて不参加ということで、急きょピンチヒッターに。シティーに着いたところで、
「やっぱり参加することにした」
という連絡が入り、結局ゼッケンなしで走りました。スマホで計った時間は47分。さすがですな、おニイさん(笑) 10歳のときから10分短縮。楽しかったようで来年は進んで参加するのでは?

ママと一緒に走ろう!(寒)

西蘭みこと 

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