「西蘭花通信」Vol.0645  スピリチュアル編 〜スピリチュアル・ノート記:痣を愛でる〜 
2013年12月9号


グレートバリア島の滞在中に読み返した「スピリチュアル・ノート」(アメリカ人サイキック(霊能者)シルビア・ブラウン著)から、たくさんの気づきを得たので、気の向くままに記録してみます。この本は「あちら側の世界」に初めて興味を持つ人にも分かり易く書かれており、細かい項目に分かれているので拾い読みもしやすくなっています。

そんな項目の一つに「生まれつきの痣は過去世からのサイン」というのがあります。私自身は生まれつきの痣というものはありませんが、妹が顔に2ヶ所、父方の叔母の1人が指先に何ヶ所か赤紫の痣を持ち、比較的身近な存在でした。どちらも唇の色のようで、血管がたくさん集まったような濃い赤だったため、遺伝なのだと思っていました。

長男・温(19歳)が生まれてしばらくすると、脇腹に同じ色の小さな痣が薄っすらと浮き出てきました。初めはごく小さなものだったのですが、日々成長する新生児に合わせ、痣も大きく濃くなり、盛り上がってきました。イチゴ状血管腫と呼ばれるもので、新生児にはよくあるものだそうです。育児書を見れば(今ならネットの検索で)簡単に調べがつき、どれにも「ほとんどは自然に消える」と書いてあります。

温の痣は本当にイチゴの形で、脇からお腹に向かって丸みのある縦長の三角形をしていました。緑のマジックで、ヘタを描きこんであげたいぐらいでした。痣の部分だけきれいに膨らみ、表面は小さな丸いツブツブで覆われ、まさに病名通りでした。あえて言えば、紫がかったワインレッドといい柔らかいツブツブといい、形以外はイチゴよりラズベリーに似ていました。なんとも可愛らしい色と形で、オムツ替えや着替えのたびにイチゴを確認し、新生児の肌よりも柔らかい表面を撫で、自然と愛でるようになりました。

1歳を過ぎて会話ができるようになると、痣はすぐに「イチゴしゃん」と呼ばれるようになりました。温が「さん」と言えなかったので、「しゃん」なのです。
「温くんのイチゴしゃん、どこ?」
と聞くと、温は脇腹を押さえて得意顔です。
「いいなぁ、お腹にイチゴがあって!」
と褒めれば褒めるほど、自分にしかないイチゴが大事に思えたようでした。本物のイチゴを食べるときなど、目を丸くして大興奮でした。
(1歳のときの温。マレーシアのキャメロン・ハイランドでパパとゴルフ→)

「ママ、ボクのイチゴしゃん食べたい?」
お風呂上りのスッポンポンのときには、必ず聞かれました。売られた遊びは買います。
「うん。食べたーい。食べてもいい?」
と言うと、温は
「ダメ〜!!」
と笑いながら、スッポンポンで走り出します。服を持った私が追いかけ、ベッドの上で捕まえて、大げさに口を開けてお腹のイチゴに口を当て、唇から空気を吐き出してブブブブブブーーーとおならのような音を出すと、温の笑い声はMAXに!

「ママ、ダメ〜。ボクのイチゴしゃん食べたらダメ〜!!」
と言いながらのた打ち回ります。
「他にもイチゴしゃん、ないかな〜?」
と言いながら、背中や腿でもブブブブブブーーーとやっては、さんざん笑って笑って転がり回るというお遊びが毎日繰り広げられました。

母としての私には、
「痣というものが醸し出しやすい、ネガティブさを払拭しておきたい」
という気持ちがありました。温が痣を引け目に思ったり、疎んだりしないように、ほんのわずかとは言え、自分の一部に否定的な気持ちを持たないように、と願ったのです。痣がイチゴそっくりで、本人までそれを得意に思い、大事にしていたのは勿怪の幸いでした。当時の私は痣の意味するところなど、考えたこともありませんでした。

そのちょうど10年後に出版された日本語版の「スピリチュアル・ノート」によれば、
『クライアントの十人中九人までが、過去の人生の傷や、不自然な死に関係する何らかの目に見える印を持って生まれてきている』
とあります。こうした過去世での経験はクライアント自らが退行催眠という一種の催眠術の間に、自ら語ることで判明します。

胸の中央にシミがあった男性は17世紀の終わりに鎧を貫通した槍で絶命していました。ふくらはぎの後ろ膝から3インチ下に痣のあった男性は、前世で同じ所をナイフで刺され、失血死していたことを催眠中に自ら語っていました。録音テープを聞いた本人は言葉を失います。過去の魔女裁判で両手を切断されていた女性の両手首には赤い線がぐるりと残り、絞首刑になった男性の首には白い痣がありました。火傷のような跡、痣、目立つシミやホクロは過去世でのトラウマや死に至った傷の証拠である場合がほとんどなのだそうです。

脇腹など致命傷を負う可能性の高そうな場所。温にも辛い過去世があったのでしょう。しかし、また生まれ変わり、惨い経験を越えて新しい人生を生きる―――輪廻転生の素晴らしさ。人生は一度きりではないと実感できる喜び。さらに言えば肉体は滅んでも魂は永遠に不滅という希望。一部の細胞が痣という形をとり、過去世の情報を垣間見せてくれたのだと思うと、今さらながらあのイチゴしゃんが愛おしく、ありがたく思えます。育児書のとおり、赤痣は3、4歳でほとんど消えてしまいました。

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「マヨネーズ」

「イチゴしゃん、なくなっちゃったねー」
温はかなり大きくなってからも、思い出したように時おり脇腹を見ていました。今では痣がどこにあったのかもわからないでしょう。何せ身長186cmにもなってしまったのですから!

イチゴ状血管腫は顔やお腹にできやすいそうで、いずれも致命傷を負いやすい場所なのは興味深いです。医学的には原因がはっきり解明されていません(笑) こうした痣や跡が残るのは、細胞に過去世の情報を保持する能力があるからなんだそうです。今世では何も心配することがないことを知らしめ、愛でてあげれば痣は緊張を解かれ、癒えていくのかもしれません。

西蘭みこと 

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