「西蘭花通信」Vol.0480  生活編 〜ミコト・ザ・アームストロング:わきの下の蝶〜 2009年1月10日

なんだか弱っちい女子プロレスラーみたいなタイトルですが、私の腕の話を連載でしようと思っています。身体の中でも実に地味な部分の腕。これがどうして重要でした。ところで、昔から「アームストロング」という名前を耳にするとムチムキチマッチョなおっさんが腕を直角に曲げ、ぷくーんと力こぶを出して自慢気〜♪みたいなイメージが浮かんでしまい、相手が妙齢な女性だろうが誰だろうが心の中では腹を抱えてクククなのです。だからどうした?なんですけどね。ではでは"豪腕みこと"の腕物語始まり〜始まり〜。

今からちょうど3年前の2006年のことでした。私は久々に再会した友人と寛いでいました。同い年の友人はママさんバレーの話をしているところでした。バレーといっても踊る方です。
「みんなトシから考えたらホントーに細くてキレイなの。練習も相当したと思うよ。だけど・・・」
「だけど?」
「腕、がねぇ。」
「腕?」
「そう、腕を広げて踊ってると腕の下がそのぉ・・・」
友人は一瞬言い淀みました。
「なんかこうプルプルというかヒラヒラしてるの。子どもの部から続けて見てるとどうもそれが気になっちゃって。子どもには絶対そんなのないじゃない?」
「・・・・・ヒラヒラ?」

話の後、シャワーを浴びるためにバスルームで服を脱いだ時に目の前の鏡に向かってひょいと両腕を水平に広げ、「気分は白鳥♪」でバレリーナ風に手首をフリフリっと。そこに現れたのは白鳥でも黒鳥でもなく、蝶でした。腕の下には蝶がいました。百聞は一見にしかず。友人が言っていたヒラヒラの意味がよくわかりました。腕の振動につられてただただ揺れているなんの意思もない脂肪。自分の身体の一部とは思えない得体の知れないものに唖然としてしました。

「なによコレ〜!わきの下に蝶なんか飼ってる場合じゃないわ!」
体型も含め自分のことにはかなり無頓着なオンナっぷり度低めの私ですが、なぜかわきの下の蝶に対しては「撲滅」を決心しました。
「こんなところに勝手に住み着かれちゃ困る・・・・」

それ以降、その年の44歳の誕生日に始めたばかりのジョギングの際にひとつ500gの小さなダンベルを両手に持って走り、寝る前には30回の腕立て伏せをするようになりました。こんなにこだわるのは私としては非常にまれなことで、
「腕よりもお腹や太ももが先なんじゃない?」
と自分でツっこみたいほどでしたが、とにかくその時は蝶を追い出す気満々でした。

(こういう方々には無縁な話。ロイヤル・ニュージーランド・バレーのバレリーナたち→)

3ヵ月後。私の腕はやや筋肉質になりました。直角に曲げると縦割りにしたゆで玉子大の筋肉が浮き出るようにもなりました。
「蝶の次は玉子・・・」
いろんなものが出てくる不思議な腕 ̄▽ ̄; しかし、だいぶ小さくなったものの蝶は健在でした。腕立て伏せは腕の内側には効果があってもわきの下から外側の部分には思ったほど効果を顕しませんでした。けっきょく、私の腕は蝶と玉子に占領されたまま冬を迎え、長袖を着ている限り目にする機会もないため、腕立て伏せもやめてしまい撲滅作戦はうやむやになってしまいました。

翌2007年。移住直前の香港で数ヶ月かじったヨガを再開しました。ヨガによる全身の引き締め効果はすでに体験済みだったので、「続けていけばいずれ蝶もいなくなるでしょう」と撲滅のハードルをグッと下げ、週1回の教室に通っていました。確かに蝶は小さくなり、玉子の方もより自然なサイズになって残りました。いつの間にかダンベルを持って走ることもやめてしまい、蝶のことは頭の中から消えていきました。

さらに1年経った昨年の2008年。9〜10月にかけて香港・日本へ3週間ほど里帰りすることになりました。真冬のNZから真夏のような香港、そしてまだかなり暑いであろう日本へ。「夏服か〜」と思った時にふとわきの下の蝶のことを思い出しました。鏡の前に立つと身体が脂肪を溜め込む冬場、案の定、蝶が少し大きくなっていました。「やっぱりね〜」と思い、その日からシャワーのときに上腕をマッサージすることにしました。手っ取り早く消えてもらおうと思ったのです。

それまで試したことはありませんでしたが、脂肪のついた部分を力を込めてマッサージすると「ある程度は脂肪が動かせるらしい」ということは漠然と知っていました。10年ほど前、日本へ一時帰国していたときに観たテレビ番組で、当時流行っていた有名な矯正下着メーカーの人がお客さんに下着を着せた後、全身の脂肪を上へ上へと手で押し上げ最後はブラジャーのカップの中に入れてしまうという手品のようなことをやっていました。

「どうしてお尻が胸になるの?」
と目がテンになりつつも目の前でお客さんのブラカップが2サイズぐらい上がるのを観て「こういうことってできるんだ〜」 と脳裏に焼付けました。

ちょうどガンを再発してしまったキウイの友人(惜しまれながらも10月に他界)のために、彼女の主治医からリンパ・マッサージのコツを伝授してもらい、彼女をマッサージするたびに指や腕の水分が見る見る"排出"されていくのを目の当たりにしていたこともあり、脂肪・リンパ双方へのマッサージの効用に思い当たるところがありました。毎日続けているうちに腕は明らかにほっそりとし、蝶もいなくなりました。最も短期間で最も効果を挙げたのは、意外にも自分でする数分のマッサージでした。(つづく)  

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「マヨネーズ」
「え〜、そんなにカンタンに細くなるのぉ?じゃ、やってみよう!」
と思われた方、ちょっとタンマです。この後、思いもかけない展開になり私はマッサージをやめてしまったので、この方法は決してお勧めできるものではありません。腕だけではなく他の部分に関しても結果は同じではないかと思うので、試される方はぜひ慎重に。まずは次号で事の顛末をお話します。
なるべく早めにUPできますようにー人ー(←他人事?)

西蘭みこと

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