「西蘭花通信」Vol.0415  NZ編 〜今ドキのキウイ世相−MAKEOVER〜     2006年9月13日

(これは前回からの続きです。前回の「今ドキのキウイ世相−0800 SAVE ME」はコチラ からどうぞ)

次男・善(9歳)の小学校の6年生全員による今年の卒業公演は、「0800 SAVE ME」。2グループの正義の味方とリサイクル・ゴミからのエネルギーを利用して世界征服を企む悪役ドクター・フームと彼女の忍者部隊が繰り広げる話でした。2回の有料上演でもチケットが完売するほどの人気と実力。見ごたえはたっぷりでした。

毎年恒例のこの行事、ストーリーから舞台のアイデアまで子どもたちが手分けをして準備し、何ヶ月もかかって製作・練習をする、まさに小学生活の集大成とも言うべき記念公演です。長男の時はオリンピック年だったため、オリンピックの歴史や競技の由来など長い間インターネットで調べていました。選手役のユニフォームもちゃんと時代考証がなされており、ゲートルを巻いてニッカーボッカーで走り回る役もありました。

「6年生ともなると(日本の小5)ここまでできるものなのかしら?」 
話の構成で先生からの助言や衣装・舞台装置で保護者からの惜しみない手助けがあるにしても、基のアイデアを出すのは子どもたちです。その斬新さ、正確さ、柔軟さに舌を巻かされることはしばしばですが、何よりも感心するのが彼らの時代を見る目の確かさです。まさにキウイ世相を映し出す鏡のようです。
「ここまで見抜かれているのか。」
と思うと、親のひとりとしてむしろ怖くなるほどです。良い面も悪い面も彼らは端から端まで全てを吸収しています。

さて、劇の話に戻りましょう。ドクター・フームの陰謀で次々にゴミ袋が盗まれ、市民は正義の味方に助けを求めます。しかし、自著のサイン会などやってすっかりアイドル化しているモテ系ヒーロー「マンリーマン」と彼が率いるイケイケの「スーパー・スカッド」はまんまとドクター・フームの策略に落ち、一網打尽で捕らわれの身となってしまいます。

(ファンに取り囲まれる「マンリーマン」。さすが準主役!口達者なナヨナヨのイケメンを好演→)

一方の体育会系ヒロイン「ワンダー・ウーマン」とその真面目一辺倒の「バックアップ団」は不人気に悩んでいました。 「出番のない正義の味方なんて・・・」 というわけです。悩める彼らの前に現れたのが、ビシッと黒のスーツで決めたワンクラスもツークラスも上そうな、ゴージャスでグラマラスな広報のプロでした。ダサダサなバックアップ団を「私たちの手でイマ風にしてあげるわ」と、自信満々。まぁ、この辺の鼻につくようなタカビーぶりが上手いこと、上手いこと(笑)

(←正義の味方も人気商売でしょう?あたくしたちに任せなさい。)

始めは外見だけ取り繕うことに難色を示すバックアップ団でしたが、背に腹は変えられないと鼻持ちならないプロに頼むことにしました。

キーワードは「メイクオーバー(Makeover)」!

まっ、日本語英語で言えばイメチェンですね。中身は一緒でも見てくれをよくして人目を引こうというもの。助けを求める電話さえ入れば本領発揮、いつでも出動できます。
「よっしゃ!」
ということで、彼らのメイクオーバーが始まりました。

             (ジャンジャン化けよう。ユニフォームだってテーラーメードさっ!→)


所詮、中身は同じ、問われるのは外見だけ。となれば、手を付けるのは髪、顔、衣装と徹底的に外側です。美容師やメーキャップアーティストが送り込まれ、仕立て屋がかしずいて寸法を取り、彼らは完全にプロの手に委ねられ、人形のようになされるがまま。何が起きているのかもよくわからない様子。

舞台が暗転して再び登場した彼らは???

ぷっ=3 
と、吹き出したくなるほど、わかりやすく変身していました。
                           (体育会系だったメイクオーバー前→)

ワンダーウーマンはピカピカのティアラまで頭に載せ、気分は女王様。(以下、( )内は男性読者への解説です)メークもグッと濃くなって、衣装も赤いロンT(長袖Tシャツ)がシルバーラメのタンク(タンクトップ)に変わり、バングル風(太い輪っかのブレスレット)の幅色なリストバンドまで巻いて勝負着に変わってます@@ おーっ!ヤル気満々ってとこですね(笑)
        (もうダサいなんて言わせない!正義の味方もオシャレでカッコよくなきゃ→)

仲間の大柄な女の子たちも逆毛(髪のボリュームを出してふわっと仕上げるウラ技。髪は痛むけれど効果抜群?!)、ポンパ(ポンパドール夫人の名前に由来する前髪を上げてお団子を作る髪型)で大人っぽくセクシーに。11歳ともなるとティーンエイジャーまであとちょっと。メークと衣装でここまで変わるものかと、同性の目から見てもオドロキ。

小柄で影が薄かった男の子たちもソフトモヒカン(ベッカムで一世を風靡したアレ)やハイライトを入れてアニメキャラ風のメークでこちらも、なりきり状態。みんなのマントも風呂敷みたいだった青からゴールドに変わって、チョーカー(首にぴったりつくデザインのネックレス)だのベルトだの、小物にもこだわってオシャレの基本のキを抑えた心憎いコーデ。(コーディネートのこと。衣装やアクセの組み合わせ) これがプロの仕事って訳ですね。

垢抜けなかったバックアップ団が(そもそも名前からして、そのーあのー´。`;)オシャレにメイクオーバー。元々実力派なのでその気になれば、鬼に金棒。あれ?「鬼」も「金棒」もイケてない?これは失礼。ともかく、イメチェンですっかりその気になった彼ら、もう悩みも怖いものもありません。一気にドクター・フームの牙城に乗り込んで・・・

ストーリーはいよいよクライマックスへ!


(バックアップ団、参上。男の子はスパンコールのパンツまで穿いて本気ですよ、彼ら。どこで調達したんだろう?こんなサイズの派手下着^^??→)


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「マヨネーズ」

人間、メークでガラリと変わる、という話の後でなんですが(笑)、先日、日記「さいらん日和」に私のすっぴんライフを支える漢方基礎化粧品「リリアンナ」のことを書いたら、一回り以上も年下の台湾在住の友人から、

「友人(日本人)が買い込んでいたクリームを譲ってもらったのですが、台湾のような暑い所でもベットリしないので気に入ってます。使い続ければ、サーフィンでできたシミもなくなるかも!!!」

というメールをもらってビックリ! シンガポールの小さなサロンでしか扱っていないのにこのご縁の深さ。
化粧要らずのラクさ、健康な肌のウレシさ。止められない止まらない♪

西蘭みこと