「西蘭花通信」Vol.0413  生活編 〜走る人体実験−筋肉は温かい〜     2006年9月6日

(前回からの続きです。前回の「走る人体実験−秋妻・夏妻」はコチラからどうぞ)

ジョギングが日課になって4ヶ月経った6月。毎朝、霜が降りる季節になっていました。身を切るような南風(北半球の北風)が吹く日もあり、駅に向かう人がコートの襟を立てポケットに手を入れ、肩を丸めて歩いています。5、6キロ走っても汗がにじむ程度で、負荷を高めるため1キロのダンベルを持って走るようになりましたが、一時は25%を切った体脂肪率は再び27%台まで上昇していました。
「暖かくなって汗をかけば、また脂肪が燃え始めるでしょう。」
と鷹揚に構え、私は実験を続けました。

そんな折、子どもたちが次々にインフルエンザにかかり、私にも飛び火してしまいました。彼らは数日で回復しましたが、私だけは40度近い熱が何度も襲ってきては体力を奪い、2週間も寝込んでしまいました。こんなことは生涯初めてで、絡んだ痰が喉に引っかかり上にも下にも行かなくなった時には、背筋も凍る恐怖感を覚えたほどでした。

床上げと同時に引越しの日程が決まり、猛烈な荷造りが始まりました。からだは衰弱していましたがぶり返しもないまま、数日後には一気に引越しに突入しました。その後は新旧両居の掃除や片付け、荷解き、こんな時にも待ってはくれない家事に仕事にと、目が回るような忙しさであっという間に1ヶ月が過ぎていました。

けっきょくジョギングを再開したのは2ヶ月近いブレイクの後でした。 さて、2週間寝こみ、2ヶ月間ジョギングだけでなくヨガもしていなかったからだの変化は? 病気の頃は体重が55キロまで落ちました。2キロ減量です。
「食事がまったく喉を通らなくてもこの程度か〜」
と妙に冷静に受け止めていました(笑) 引越し後は1ヶ月ほど体重計が見つからなかったので(いかに片付いていなかったか!)、その間のことはわかりませんが再開直前の体重は56キロ台、体脂肪率は26〜27%でした。体重は1キロ減、体脂肪率はほぼ変わらず。失った1キロは筋肉でしょう。
「ヤバーい!」

からだは胸を始め、腰周り、お腹と女性っぽいところから脂肪がつき始めていました。(今回の実験を通じて胸の大きさはかなり簡単に変わることを実感・・笑)幸い脂肪を落としにくい腿と二の腕はさほど見た目の変化はありませんでしたが、実際はわかりません。しかし、一番大きな変化は意外にも、顔でした。連日の睡眠不足もありますが、ハリ・ツヤのない精彩のない顔色で、自分でも疲れた老け顔なのがよくわかりました。それは夫も同じで、彼も移住以来のジョギングを止めていたので、2人ですっかり老け込んでいました。

8月中旬の再開初日。外に出るや、「あったか〜い!」と驚くほど、季節は春になっていました。霜など跡形もなく、マグノリア、梅、桜、椿があちこちで咲き誇っています。風の冷たさも2ヶ月前とは比べものになりません。ところがどうでしょう?霜が降りていた頃と同じウェアでも、最初の500メートルは寒さで歯がガチガチ鳴ってしまうほどで、顎のコントロールが効かず、すれ違う人が気づいたらさぞや妙だったことでしょう(笑)
           (レンガの塀に夏みかんに桜・・・というNZらしい眺め→)

4キロから徐々に距離を伸ばし、再び5、6キロを走ることが日課になって3週間が過ぎました。さて、変化の方は? 

顔・表情 驚くほど顕著な変化があり、初日からハリ・ツヤが良くなり、血行の重要さを思い知りました。4時間睡眠でも前の老け顔よりずっとマシです。キメが細かくなり、しっとり感が戻りました。

手足 しっとりしてきたのは顔ばかりではありません。粉を噴いたように乾燥していた足がクリームなしでもツルツルし出し、「しもやけができるかも?」と心配になった足先も含め、指先の冷えはびっくりするほど解消しました。

食欲 再びお腹が空かなくなり、遅めに朝食を摂った日など1日2食で済んでいます。以前同様、「食べたい物を食べたいだけ」を実行した結果、1日3杯になっていたコーヒーが2杯になり、甘い物の摂取量が減り(ストレス減の顕著なバロメーター)、フルーツの摂取量がドッと増えました。走った後に1リットルの水を飲むことも再開しました。

便通 摂ったら出すで(笑)、こちらにも大きな変化が。元々便秘知らずですが、走り始めるやすぐにお通じが1日1回から2回に変わりました。摂る量が減って出る回数が増えるのですからお腹は中も見た目もすっきり♪ 肌のためにもいいこと尽くめ。うふっ♪

何よりも実感したことは、
「筋肉は温かい」
ということでした。新陳代謝が良くなった筋肉は大げさではなく、薄手のフリース1枚分の保温効果がありました。暖房を使わない家なので走っていない頃は3枚着ていることがほとんどでしたが、日中は長袖のTシャツにカーディガンを羽織っていれば十分になりました(9月に入ってからはTシャツ1枚に)。

姿勢が良くなり、気力も充実し、身が軽くなって、顔もからだが締まり、季節の移ろいも肌で感じられ、近所の人にも挨拶でき、そのまま庭の手入れに入っても苦にならず、朝食が一段と美味しく、コーヒーも香ばしく感じられ、気持ちが切り替わり、機嫌が良く、本当に一挙百得です。体重は57キロ台、体脂肪は26―27%で変わらずというところ。コストはゼロ。やっぱりこの実験、止められません! (不定期でつづく)

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「マヨネーズ」

へそピ(アス)はあきらめましたが、縦べそは今でも目標です。実験は真ん丸から始まりましたが、今ではちょっと縦長になってきました。腹筋をすればさらに早道なんでしょうが、東洋医学的には「腹筋はうさぎ跳び並みに厳禁」なんだそうで、コツコツ地道に筋肉の貯金に励むことにします。水着の季節までにどうなっているか?

西蘭みこと