「西蘭花通信」Vol.0389  生活編 〜走る人体実験−25%に向かって〜   2006年4月12日

前回ご披露した私の「走暦」(ジョギング暦)に続いて、今回は「重暦」(ん?)とでも言うべき、体重の変遷を簡単に記しておきましょう。実験となると基準となる出発点は大事です。実際の体重を伏せて「プラス2キロ」「マイナス1キロ」とやっているうちに、読者の方はもちろん、書いている本人も混乱してくるのは必至なので、正直に公開します。実年齢、はいている下着の種類ときて、今度は体重・・・、メルマガに聖域はないですね(笑) 
私は高校時代から身長160センチ台、体重50キロ台でした。今は163センチ、57キロです。20代はほとんど51〜52キロで、たまに風邪でも引いたような時に数日、40キロ台に落ちる程度でした。出産前の30代初めは52〜53キロ、長男出産後は53〜54キロで1キロ増。次男出産後は54〜55キロとなり、典型的な産後太り。毎年行っていた人間ドックの先生に、
「この調子で60歳になった時、自分が何キロになっているか考えてますか?来年までに元に戻しといて下さい。」
と、毎回怒られていました。

先生の警告にもかかわらず、40代に入ってオフィスにいる時間が格段に長くなったこともあり、体重は55〜56キロ台へ。それが、ニュージーランド移住が決まって2週間連続の昼夜ほとんどフルコース送別会などしているうちに57キロ台、瞬間風速でたった1度とはいえ59キロ台もマークし、さすがにバスルームで倒れそうになりました。
「あと3キロ増で、子どもひとり産めちゃう@@」
しかし、事情が事情なだけに、
「移住してから痩せればいいや。」
と、腹を決めてかかりました。

移住後、荷物が届くまで体重計がなかったため、2週間ほど体重がわかりませんでしたが、狭いモーテルのキチネットで作る食事ですから簡単もいいところ、あっさり"宴会体重"は元通りに。一時は54キロ台でした。しかし、36度の猛暑の香港から7、8度の厳寒(私たちにとっては)のオークランドにやってきたため、からだが本能的に皮下脂肪をつけようとしていたのでしょう、食べる量が非常に安定している私には珍しく、恐ろしいほどの食欲を感じ、それを境に57〜58キロの"宴会体重"が恒常化してしまいました! 

この体重での体脂肪率は27〜28%。インターネットで検索した限り、40代の女性としては、「ふつう」もしくは「軽肥満」「肥満予備軍」といった位置づけのようです。
「ほぼ平均ながら十分注意するように」
ということでしょう。同じく肥満度をチェックするBMI(ボディー・マス指数、体格指数とも呼ばれ、体重÷身長÷身長で算出)では、57÷1.63÷1.63=21と、ごく標準です。日本肥満学会はBMIが18.5以下を「痩せすぎ」、25以上を「肥満」と定義しています。実際、25以上では高血圧や糖尿病など生活習慣病の発症率が高まり、男女とも22が一番健康とされているそうです。

これでいくと私は太り過ぎではなさそうですが、自分ではからだの重さやフットワークの悪さが気になっていました。外出といえばクルマになってしまうことも、状況を悪化させているように感じていました。また、40代の女性は骨を守る働きがある女性ホルモンの分泌が減るため骨密度が低くなり、将来的な骨粗鬆症の発症も懸念されます。もともと骨は丈夫なほうで、生まれてこのかた骨折というものはしたことがありませんが、
「骨粗鬆症の女性の発症率は男性の8倍」
などと聞くと、やはり他人事ではありません。

「1、2キロのダイエットならその気になればできなくはないだろうけど、骨や筋肉が一朝一夕に形成されるとは思えない。本当に基礎体力がほしいなら、ここから始めよう。」
普段から筋肉量と骨量を増やしたいと考えていた私は、ジョギングを再開するに当たり、
「体脂肪を落として筋肉と骨の重さを増やす」
ということを実験の課題に選びました。

最近はいい機械が出ていて、家庭でも体脂肪のみならず部位別筋肉量が測れるそうですが、うちにあるのはごくシンプルな体重計についた体脂肪計。そのため、体重も体脂肪率も減ってしまった場合、結果的に筋肉や骨の量が増えたのかどうかは判然としません。そこで、「ジョギングをしてもたいして体重は落ちない」という一般常識および自分の経験から、
「体重は57キロを維持しながら、27〜28%の体脂肪を25%に落とそう。」
と、さらに課題を絞り込みました。

そして、実験開始。 約2ヶ月(実際は旅行中の2週間を除く6週間)、毎朝平均4〜5キロのジョギング(時間にして約30分)と、前後の簡単なストレッチやヨガのポーズと呼吸法を取り入れた独自の(というかテキトーな)体操(同じく30分)を実行し、変化をみました。まずは体重です。食事直後以外、いつ体重計に乗っても57キロ台と非常に安定しています。ただし、見た目の体型はかなり変わりました。一言で言えば、締まってきました。それは顔から足まで一貫しています。詳細は次回に譲るとして、肝心の体脂肪は?

(香港のジョギングのメッカ「ボーエン・ロード」。平坦で往復8キロ、片側はパノラマの景色という理想的なコース。今回も1度走ってきました。奥手の御殿のような建物は香港随一の会員制クラブ「ジョッキークラブ」→)

最初の1ヶ月間は頑として27%台でしたが、2ヶ月目に入り徐々に下がり始め、最後の2週間は25%台ですっかり落ち着きました。走り始めて満2ヶ月の4月7日にはとうとう24.8%に!(数字は結果をより正確にするため、毎晩同じ状態で測定したもの)実験成功です。体重が変わらないのに体脂肪だけが3ポイント低下したということは、脂肪が減って、筋肉か骨かが確実に増えたことになります。どちらが増えたにしても喜ばしい限り。やはり、
「からだはいくつになっても鍛えれば応えてくれる」
ようです。(つづく)


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「マヨネーズ」
「なにがウレシくって体重まで公開するかな〜」
「けっこう重いんだぁ@@」
と、読者の方はいろいろな感想をお持ちかもしれませんね。これで読者が減るかしら´。`?

西蘭みこと