「西蘭花通信」Vol.0388  生活編 〜走る人体実験−44歳の試み〜      2006年4月8日

(これは前々回の「からだの声を聞け」の続きとなるものです。初めての方は、よろしければVol.0386からご覧ください。)

日記「さいらん日和」
にも書いた通り、私は今年2月の44歳の誕生日からジョギングを再開しました。再開と言っても、かつて走りこんでいた時代があったわけではありません。今までの「走暦」を簡単に記しておくと、高校時代はごくたまに妹と近所を2、3キロ走っていました。大学時代はドアが閉まりかけた山手線にダッシュするのが精一杯。香港で社会人になってからは、もっぱらジムのランニングマシーンのお世話になりました。しかし、それとて、あのゴムで巻かれた機械が立てる無粋な音が好きではなく1キロのウォーミングアップがせいぜいでした。

結婚してからはろくにジムにも行かなくなり、働きながらの2度の出産・子育てで本当にジムどころではなくなってしまいました。しかし、36歳の時に転職したのをきっかけに、毎朝出勤前に2キロ走るようになりました。定期的なジョギングは生涯初めてでしたが、半年経ったところで再び転職し出勤時間が一段と早まってしまったため、「走らない生活」に逆戻り。41歳の時、SARS騒ぎで日本に一時退避したのを機に退職、戻って来た時には結婚以来初めての専業主婦になっていました。

「これは走るっきゃない♪」
と、朝、子どもをスクールバスに送ったその足でジョギングへ。1.5キロから始めた距離は徐々に伸び、「急な坂道の往復2キロ+平坦コース8キロ」の計10キロまでになりました。そのうち、飼い猫のガン発覚での24時間看護、移住準備の追い上げ、引越し準備など、日常生活が急速に不規則になったこともあり、走れるのはせいぜい週1、2回になってしまいましたが、延べ半年以上続けました。

「ニュージーランドに移住したらぜひ走ろう!」
と思っていたものの、いざ来てみたら毎日のように雨が降る真冬で、気候が良くなって来るや、いきなり生まれて初めての日光皮膚炎を発症してしまいました。ジョギング中に猛烈な痒みに襲われたこともあり、すっかり日陰者に。しかし、去年の夏は用心に用心を重ねながら徐々にからだを慣らしていったせいか、一度も日光皮膚炎になることなく、無事夏を終えました。それに自信を得て、夏の終わりの誕生日から走り始めました。長くなりましたが、これが経緯です。

再び走り始めた一番の理由は、
「基礎体力をつけたい。」
ということです。幸い私は普段から健康で、こちらに来て1年半以上、かかった医者は日光皮膚炎の時の皮膚科のみ。しかし、
「病気にならない現状を積極的に維持していかないと、そのうち"健康の貯金"を食い潰してしまうんじゃないだろうか?」
と思い始めていました。皮膚科医に、
「飲み薬も塗り薬も良く効くだろうけど、肝臓への負担を考えると長期使用は勧められない。薬に頼らないにこしたことはない。」
と言われたこともずっと気になっていました。 (確かによく効きました)

夫は移住以来、毎朝5、6キロ走っており、学校が休みの時は彼の付き添いで子どもたちも走っています。「どうしてママは走らないの?」と聞かれ続けてきましたが、日光皮膚炎を克服した今、特に走らない理由はありません。ちょうどウェリントンに旅行し、坂の多い街で積極的に公共交通機関を利用しているせいか、ウェリントニアンがオークランダーよりスリムに見えたことも衝撃でした。おまけに息子たちは徒歩とバス通学、仕事は自営業、時間の融通はいくらでも利きます。近所は適度に起伏のあるなだらかな丘陵地帯。美しい街路樹も十分な幅の歩道も、なにもかも打ってつけです。

「走ろう。」
機は熟しました。移住前からの小さな夢のひとつをかなえる時に来ていました。初日はからだ慣らしに2キロから。(後で地図をよく見たら3.5キロでした^^;)なだらかな登り坂でも脛(すね)にジンジン来ます。一歩ごと、からだが揺れるたび、お尻の上半分に骨や筋肉としっかりくっついていない、ゆらゆらした一部分があるのを感じます。これが脂肪なのでしょう。3日後から、少しずつ距離を伸ばしたり、より傾斜のきつい坂道を選んで走ったりしてみました。

あれからちょうど2ヶ月。香港に行っていた2週間を除き、月〜金と週5日、毎朝約5キロを走ることが日課になりました。香港でもジョギングシューズを買って2回ほど懐かしの道を走ってみました。この2ヶ月間、肉体的にも、精神的にも、日常生活にも、さまざまな変化がありました。
(走り始めて本当にいろいろな発見が。近所からこんなに間近にランギトト島が見えるとは!→)

「身が軽くなる」
「からだがしまる」
など経験上知っていたものから、
「お腹がすかない」
など思ってもみなかったものまで、いろいろです。

「これじゃ、"走る人体実験"だなぁ〜(笑)」
と、自分がモルモットにでもなった気分でしたが、どこかで読んだ、
「からだはいくつになっても鍛えれば応えてくれる」
という言葉も思い起こされ、
「どうせ変わるのなら、思うように変えてみよう。」
と思いつきました。

実験その1:「体脂肪を落とすこと」。
体脂肪計で結果が数値化できるため、初歩的な実験にはもってこいです。
「体脂肪を25%に落とそう!」
ジョギングシューズを履いたモルモットは、朝もやの中に走り出しました。
(つづく)


******************************************************************************************

「マヨネーズ」
南半球はラグビーシーズン真っ盛り。今日も朝から子どもの試合2試合に付き添い、午後はラグビージャージの洗濯をしながら(手洗いもありTT)、プロの試合をライブでテレビ観戦。夜は球場に出向き「オークランド・ブルース」の試合観戦。来週は橋を渡ったノースショアの球場で観戦。(3週連続で球場観戦´。`A)

「来シーズンはキミもやったら?」
と、夫からスカウトが@@

ラグビーブログ、「ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ」はコチラからどうぞ。

西蘭みこと