Vol.0295 NZ・生活編 〜同じアホなら回さにゃソンソン♪ その2〜

こういうことは最初が肝心。1度やってしまえば、あとは簡単。一生できます。・・・ということで、オークランド市の2年に1度の粗大ゴミ回収日を前に、各家庭が家の前に積み上げたもの中から、気に入った品をいただくことにしました。「ゴミ」と言うから、ほしいものをいただけば「ゴミ漁り」となって聞こえも悪いでしょうが、かなりの物が「ゴミ」と言い切るにはあまりにも程度のいいもので、その家庭にとっての「不用品」でしかありません。

これがすべて、日本では見かけないような超大型トラックにいっしょくたに積み込まれ、本当の「ゴミ」になってしまうのかと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになってきました。「これじゃあ、物がかわいそう。」 本気でそう考えていました。人間の贅沢や身勝手で、同じものが「お宝」と呼ばれたり、「ゴミ」と呼ばれたり。芝の上にきれいに並んでいる「ゴミ」を再利用できるのであれば、捨てられた物にも、拾った人にも、捨てた人にも、オークランド市にも、ニュージーランドにも、地球環境にも良いはずです。ここまでいいこと尽くめの事を妨げるのが、たいした根拠もない取るに足らない羞恥心だとすれば、私は喜んでそんなものは捨てます。

・・・ということで、蚤の市をそぞろ歩くように、歩道と車道の間に延びる緑の絨毯に載せられた品々を見せてもらうことにしました。かなりの品が「捨てるに忍びなかったんだろうな」と思われるほど、"丁寧に置いて"あります。ほとんどの植木鉢が、土が出してあるばかりか洗ってあります。十数軒分見て、土も枯れた植木も一緒に捨ててあったのは1軒だけでした。「植木鉢がほしいな」と思っていたところだったので、さっそくいただくことに。素材もサイズも色も、まさに選り取りみどりの"品揃え"。プラスチックの鉢が見えないよう、周りを囲むための凝った木枠まで5つもゲット♪

他にも新品同様のスチールのバスケット発見。ランドリールームの棚の収納にピッタリの大きさです。その家の奥さんと思われる年配の女性が、花に水をやっているところだったので、「いただいてもいいですか?」と声をかけると、"Sure. You can have it!"という二つ返事が返ってきました。その家は、出しているものがみかん箱の半分ほどしかなく(すでにかなり引き取られていたのかもしれませんが)、どれも使えそうな、よく手入れされたものばかり。しかも、通常のゴミとして出せそうな小物しかありません。

それをわざわざ並べているところをみると、あえて「ゴミ」にせず、誰かの目に止まってリサイクルされるよう、この時期まで溜めていたとしか思えません。彼女が明るい声で「ぜひ、持ってって!」と、言った気持ちがよくわかります。「ありがとう」と声に出していいながら、心の中では「私も大切に使います」と言い添えていました。他にもアレコレいただいてきました。せっかくなので、移住初年度に当たる2005年の西蘭家各人の「リサイクルお宝」を記しておきましょう。

夫:使った形跡のない真っ白なゴミ箱(見つけた人:みこと) ちなみに夫はこの手のことにまったく興味がなく、どちらかというと眉をしかめ、人が捨てたものなど拾ってこないでほしいと、常々思っている人。しかし、このゴミ箱は気に入ったようで、自分でいそいそ洗っていたのには、こちらがビックリ。今までだったら、見向きも触りもしなかったことでしょう。人間、変われば変わるもんです(笑)

善:ピッタリのサイズのローラーブレード(見つけた人:みこと) これもその家の奥さんと話ました。「これってまだ使えます?」と聞くと、「多分ね。うちも誰かにもらったんだけど、小さくなっちゃって最近は使ってなかったのよ」とのこと。善はローラースケートしか持っておらず、温のローラーブレードを羨ましがっていたので、かなりの掘り出し物。けっきょく、どこも壊れておらずラッキー♪

温:キャンプ用品のグランドシート2種類(見つけた人:温) 欲しがっていた1種類と、持ってはいたものの「もう少し小さいのがほしいなぁ〜」と言っていたもう1種類ともゲッツ! ほしがっていたサイズだったばかりか、ほぼ新品で本人大喜び。それぞれ違う家から違う日に見つけ、なかなかの目利き。彼はガーデニングが趣味の近所の友だちの家から、私がほしがっていた生垣用の植木バサミまでもらってきてくれました。

ネコ:2匹が十分寝られるペット用ベッド(見つけた人:みこと) 浅いプラスチックのたらいのようなもので、出入り用に側面の一部がないのとかなり厚みがあるだけでペット専用となり、新品はけっこう値が張ります。しかし、ネコが気に入らずに使わなかったら、それこそ「ゴミ」。なので、これでお試しできるのは助かります。寒くなってきたら中に毛布を敷いて、温かい寝床を作ってあげましょう。

みこと:芝(見つけた人:みこと、運んだ人:みこと&タカ) ニュージーランド在住足掛け10年の人に「すごーい、芝を拾った人、初めて聞きました」と言われたほどの大ヒット♪ 芝というものは張り替えの時、薄く土が付いた状態でカーペットのように丸めて運ばれてきます。ちょうどご近所が張り替えたところで、余った分をロールのまま捨てていました。
(→捨ててあった芝。この時点でかなり土が乾いていました。1ロール15キロくらいありました。)

ロールは幅50センチ、広げた長さはせいぜい1.5メートルでしたが、土付きなので手がワナワナするほどの重さ。4ロールもあったので、仕方なく夫の応援を頼み、全部いただき♪ さっそく庭の一角を浅く掘って敷き詰め、この「ゴミ」は西蘭家の庭に末永く根付くことになりました。(つづく)
(→真ん中が張り替えた場所。左が掘り返した土。右が雑草ばかりになって芝がなくなっていた一角)

西蘭みこと